CD

Symphonies Nos.1-10 : Berlin Philharmonic (10CD)(+4BD)

Mahler (1860-1911)

User Review :4.5

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
KKC9612
Number of Discs
:
14
Format
:
CD
Other
:
+Blu-ray Disc

Product Description


大巨匠たちの成熟した演奏と若い世代の新鮮な演奏
ベルリン・フィルと8人の指揮者によるマーラーの音楽世界、発見の旅
ハーディング、ネルソンス、ドゥダメル、ネゼ=セガン
ペトレンコ、ラトル、ハイティンク、アバド


ベルリン・フィル・レコーディングスはこれまで、ひとつのテーマに沿ったセットをリリースしてきました。その中でも作曲家に焦点を当てたセットは、ジョン・アダムスにはじまり、ブルックナーそして今回のマーラーと続きます。
 グスタフ・マーラー[1860-1911]は、2020年に生誕160年、2021年には没後110年を迎え、その交響曲は今や世界のオーケストラの最も重要なレパートリーの一つといえるでしょう。ベルリン・フィルにおけるマーラー演奏の伝統は、1895年にマーラー自身が交響曲第2番を初演した1890年代まで遡ります。その後、オットー・クレンペラー、ブルーノ・ワルター、サー・ジョン・バルビローリ、ラファエル・クーベリック、レナード・バーンスタイン、ベルナルド・ハイティンクと数々のマーラー指揮者が客演指揮者としてベルリン・フィルと演奏してきました。
 そして、ベルリン・フィルの主要レパートリーとしての定着までの軌跡は、歴代の首席指揮者をみれば一目瞭然です。アルトゥール・ニキシュは早くからマーラーに関心を持っていましたし、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーはかなり距離を置いていました。そして1970年代以降、ヘルベルト・フォン・カラヤンはマーラーの作品に力を入れていきます。ニキシュ、フルトヴェングラー、カラヤンまでは、演奏されるのはマーラーの一部の作品に限定されていましたが、カラヤン以降、クラウディオ・アバド、サー・サイモン・ラトル、そしてキリル・ペトレンコと時代は進み、交響曲全曲がレパートリーとして組み込まれていきます。
 当エディションには、完成した9つの交響曲と未完の第10番第1楽章を、過去10年間の演奏から選んでいます。現在の首席指揮者ペトレンコと前任者であるアバドとラトルの演奏、そして客演指揮者で構成されています。中でも、キリル・ペトレンコの第6番は、2020年1月の演奏で、新型コロナウィルス感染拡大直前の演奏会であり、非常にアクチュアルな演奏会でありました。マーラーが描く細部、そしてそれを全体像として構築することは、指揮者としての試金石ともいえ、新首席指揮者としての期待が大きく膨らみます。ペトレンコは、高い視点と広い視野に基づいた独特の知性とエモーションで作品を築き上げています。
 そして、オケとの関係が成熟期に達したアバドとの第10番はまさに阿吽の呼吸。ハイティンクとの第9番も同様、高い信頼関係の中で繰り広げられる演奏は、ハイティンクのこれまでの集大成ともいえる芸術的な成果が聴かれます。さらにヤニク・ネゼ=セガン、ダニエル・ハーディング、アンドリス・ネルソンス、グスターボ・ドゥダメルといった若い世代の指揮者との演奏にも注目。大巨匠たちの成熟した演奏と新しいアイデアを実践しようとする若い世代の新鮮な演奏。まさにマーラーの音楽世界を凝縮したセットとなっています。(販売元情報)

【収録情報】
● マーラー:交響曲全集
 第1番:ダニエル・ハーディング(指揮)
 第2番:アンドリス・ネルソンス(指揮)
 第3番:グスターボ・ドゥダメル(指揮)
 第4番:ヤニク・ネゼ=セガン(指揮)
 第5番:グスターボ・ドゥダメル(指揮)
 第6番:キリル・ペトレンコ(指揮)
 第7番:サー・サイモン・ラトル(指揮)
 第8番:サー・サイモン・ラトル(指揮)
 第9番:ベルナルド・ハイティンク(指揮)
 第10番:クラウディオ・アバド(指揮)


 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:2011〜2020年、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

 CD1-10
 交響曲第1〜10番

 Blu-ray Disc1-4
 交響曲第1〜10番(ハイデフィニション・ビデオ)
 画面:Full HD 1080/60i、16:9
 音声:2.0 PCMステレオ、5.1 DTS-HD MA
 Region ABC (worldwide)
 総収録時間:795分
 字幕:独、英、日本語

 マーラーとベルリン・フィル:指揮者達の対話(38分)

 輸入盤・日本語帯・解説・歌詞対訳付

● 交響曲第1番ニ長調『巨人』(55:22)

 ダニエル・ハーディング(指揮)
 録音時期:2019年3月29日



● 交響曲第2番ハ短調『復活』(87:09)

 アンドリス・ネルソンス(指揮)
 ルーシー・クロウ(ソプラノ)
 ゲルヒルト・ロンベルガー(メゾ・ソプラノ)
 中部ドイツ放送合唱団(リスト・ヨースト:合唱指揮)
 録音時期:2018年12月15日



● 交響曲第3番ニ短調(99:16)

 グスターボ・ドゥダメル(指揮)
 ゲルヒルト・ロンベルガー(メゾ・ソプラノ)
 ベルリン国立大聖堂少年合唱団(カイ=ウーヴェ・イールカ:合唱指揮)
 ベルリン放送合唱団女声団員(トビアス・レープナー:合唱指揮)
 録音時期:2014年6月13日



● 交響曲第4番ト長調(58:41)

 ヤニク・ネゼ=セガン(指揮)
 クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)
 録音時期:2014年3月22日



● 交響曲第5番嬰ハ短調(70:27)

 グスターボ・ドゥダメル(指揮)
 録音時期:2018年10月27日



● 交響曲第6番イ短調『悲劇的』(77:22)

 キリル・ペトレンコ(指揮)
 録音時期:2020年1月25日



● 交響曲第7番ホ短調『夜の歌』(76:06)

 サー・サイモン・ラトル(指揮)
 録音時期:2016年8月26日



● 交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』(78:12)

 サー・サイモン・ラトル(指揮)
 エリカ・ズンネガルド(ソプラノ)
 スーザン・ブーロック(ソプラノ)
 アンナ・プロハスカ(ソプラノ)
 リッリ・パーシキヴィ(アルト)
 ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
 ヨハン・ボータ(テノール)
 デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バリトン)
 ジョン・レリエ(バス)
 中部ドイツ放送合唱団(ハワード・アーマン:合唱指揮)
 ベルリン放送合唱団、ベルリン国立大聖堂少年合唱団(サイモン・ハルシー:合唱指揮)
 録音時期:2011年9月18日



● 交響曲第9番ニ短調(89:38)

 ベルナルド・ハイティンク(指揮)
 録音時期:2017年12月3日



● 交響曲第10番嬰ヘ長調より第1楽章アダージョ(25:07)

 クラウディオ・アバド(指揮)
 録音時期:2011年5月18日



ダウンロード・コード
この商品には、CD収録内容のハイレゾ音源(24bit/48kHz)をダウンロードするためのURLとそのパスワードが封入されていますが、配信サイト上の不具合により配信開始が2021年1月29日となる予定です。(販売元情報)

デジタル・コンサートホール
ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。(販売元情報)




 マーラー情報


50歳で亡くなったマーラーの本業は、31年間携わっていた指揮者業(歌劇場組織約27年、楽団組織約2年、客演多数)。作曲については主に夏季休暇中におこなっており、ウィーン宮廷歌劇場(現・ウィーン国立歌劇場)時代の10年間に、交響曲第4番、第5番、第6番、第7番、第8番、リュッケルト歌曲集、亡き子をしのぶ歌が完成しているのは、安定した報酬と3か月間の夏季休暇のおかげでもありました。
生地(カリシュト)

1860年7月7日に誕生。両親はユダヤ人でドイツ語話者。当時のボヘミアはまだまだドイツ語話者が多く、たとえばスメタナがチェコ語を猛勉強してまともに喋れるようになったのは40歳になる1864年頃のことでした。
期間:1860〜1860(約3か月)

場所:カリシュト(現・カリシチェ)。オーストリア帝国領ボヘミア王国の村。モラヴィアに近く、ウィーンの北北東約170kmに位置。

誕生:1860年7月7日。1週間後に10kmほど北にあるレデチュの母の実家前にあるシナゴーグで割礼。
父親:ベルナルト(ベルンハルト・バルフ)・マーラー[1827-1889]。モラヴィアのライプニク(現・リプニーク)に生まれたユダヤ人。モラヴィアはワインの名産地。
母親:マリー・マーラー(旧姓:ヘルマン)[1837-1889]。レデチュ生まれのユダヤ人。石鹸製造を営む実家は裕福で、持参金は3,500グルデン(約875万円相当)。実家の前にあるシナゴーグで結婚。
備考:前年8月に第1子が1歳5か月で死去(イジドル[1858-1859])していたので、マーラーが長男。

幼年期(イグラウ)

父は1860年10月から食料品店を開業し、ほどなく地下で飲食店も開き、やがて、アルコール飲料醸造工房、酢製造工房、錠前工房などを市街地で経営。町は賑やかで、マーラーは3歳の頃には民謡・俗謡、兵舎の歌や軍楽などがお気に入りになり、4歳でアコーディオンを演奏。5歳のときに祖父母宅の屋根裏部屋で見つけたピアノに熱中するようになり、音楽教育が開始。

期間:1860〜1866(約6年間)。
場所:イグラウ(現・イフラヴァ)。オーストリア帝国領ボヘミア王国の商業都市。カリシュトの南東約30kmに位置。

教育(音楽):1865年からヤコプ・スラトキー(イグラウ市立劇場コントラバス奏者)がピアノを指導。
兄弟(誕生):エルンスト[1862-1875]、レオポルディーネ[1863-1889]、カール[1864-1865]、ルドルフ[1865-1866]。
兄弟(死去):カール[1864-1865](1歳4か月)、ルドルフ[1865-1866](6か月)。
備考:普墺戦争(1866年6月から8月)でオーストリア帝国がプロイセン王国に敗北。

聖イグナチオ男子教区学校(イグラウ)

イグラウにあるイエズス会の小学校。イグラウ市立劇場楽長のヴィクトリンからピアノのレッスンを受け、作曲も開始。
期間:1866〜1869(約3年間)

場所:イグラウ(現・イフラヴァ)。カリシュトの南東約30kmに位置。

教育(音楽):小学校で学びながら音楽教室にも通い、1866年からフランツ・ヴィクトリン(イグラウ市立劇場指揮者)とヨハネス・ブロシュ(イグラウ市立劇場ヴァイオリン奏者)が共同運営する音楽教室でピアノを指導。他に、ピアニストのフランツ・シュトゥルムとヴェンツェル・プレスブルク、ヴァイオリニストのヤン・ツィスカが教えたほか、イグラウ市立劇場音楽監督のハインリヒ・アウグスト・フィッシャーが和声学などを指導。フィッシャー[1827-1917]はマーラーに決定的な影響を与え、生涯を通じて交流することになります。
兄弟(誕生):アロイス=ルイス[1867-1931]、ユスティーネ[1868-1938]。
備考:オーストリア=ハンガリー帝国成立(1867年6月)。

ドイツ・ギムナジウム(イグラウ)

マーラーは通常科目の学習にはあまり熱意がなく、改善をめざして3年生の1学期にプラハのギムナジウムに転学させられたりしていますが効果なく2学期に復学。やがて6年生を終えるとウィーン楽友協会音楽院に入学したため、翌1876年にはギムナジウムでマーラーへの個人指導が開始。これにより、翌1877年にはマトゥーラ(=アビトゥーア)にも合格。

期間:1869〜1877(約8年間)

場所:オーストリア=ハンガリー帝国領ボヘミア王国イグラウ。

入学:1869年。

転学:1871年、プラハのノイシュタット・ギムナジウムに転学(1学期のみ。2学期から復学)。

卒業:1877年。マトゥーラ合格。マトゥーラはオーストリアの大学入学資格試験で、1874年にはドイツのアビトゥーアと相互承認を締結。
教育(音楽):ギムナジウムで学びながら、イグラウ市立劇場関係者の運営する音楽教室でも勉強。
公演:1870年、イグラウ市立劇場で開かれた演奏会にピアニストとして出演。音楽教室の教師たちも共演。1872年、校内のフェストザールで「フリードリヒ・シラー誕生日記念演奏会」にピアニストとして出演し、リストやタールベルクの作品を演奏。1873年、複数の演奏会にピアニストとして出演。

備考:1872年に中庭に工房と納屋のある広い住居を父が市内で購入。売却主はマーラーが音楽塾で和声を習っていたハインリヒ・アウグスト・フィッシャーの母。

兄弟(誕生):アルノルト[1869-1871]、フリードリヒ[1871-1871]、アルフレート[1872-1873]、オットー[1873-1895]。
兄弟(死去):フリードリヒ[1871-1871](8か月)、アルノルト[1869-1871](1歳11か月)、アルフレート[1872-1873](1歳)、エルンスト[1862-1875](13歳)。

ウィーン楽友協会音楽院


期間:1875〜1878(約3年間)

場所:ウィーンはイグラウの南南東約140kmに位置。

科目:1875年、ピアノをユリウス・エプシュタインに師事し、1876年にピアノ部門で一等賞。1877:和声をロベルト・フックスに、対位法と作曲をフランツ・クレンに師事するものの途中で終了。ピアノ部門で再び一等賞(作曲部門は辞退)。

卒業:1878年6月。

自作:ピアノ四重奏曲(1876)、ピアノ五重奏曲スケルツォ(1878)が作曲部門で一等賞。ムジークフェラインザールで演奏。

兄弟(誕生):エマ[1875-1933]、コンラート[1878-1881]

ウィーン大学

当時のウィーンはユダヤ人が大活躍で、医師の60%以上、弁護士の58%以上、広告宣伝業の96%以上、銀行の75%以上のほか、リベラル系の新聞や雑誌はほぼすべてユダヤ系で、ウィーン大学も学生の3分の1以上がユダヤ人でした。人口比では1割くらいなのでかなりの躍進ぶりです。
期間:1877〜1880(約3年間)

場所:ウィーン。

入学:1877年10月、ウィーン大学に登録。

科目:1877年:哲学、言語学、音楽史、視覚芸術、和声学(ブルックナー)、美術史(ハンスリック)等、1878年:古典彫刻、オランダ絵画史、哲学史、1879年:考古学、古代哲学史、ナポレオン時代のヨーロッパ史、ベートーヴェン死後の音楽史(ハンスリック)等、1880年:芸術と歴史について。

交流:1879年からピアノの生徒のヨゼフィーネ・ポイスルと交際し、歌曲も3曲作曲するものの1880年に彼女の父親の介入で終了。


バート・ハル・クアハウス

新興温泉保養地バート・ハルの保養所楽団を指揮する仕事。1880年5月に5年契約したウィーンの興行主グスタフ・レーヴィにより手配。マーラーは月に30グルデン(約75,000円相当)の出演料を得て、うち5%がレーヴィに支払われています。
期間:1880〜1880(約3か月)

場所:バート・ハル。オーストリア=ハンガリー帝国。ウィーンの西約170km、ミュンヘンの東約200kmに位置。

着任:1880年6月1日、指揮者として夏季3か月契約。

離任:1880年9月1日、契約終了。

演目:オペレッタ、コメディ、音楽劇など大小48曲を指揮。


ライバッハ地方劇場

興行主グスタフ・レーヴィの手配。
期間:1881〜1882(約6か月)

場所:ライバッハ(現・スロヴェニアのリュブリャナ)はオーストリア=ハンガリー帝国の都市。ウィーンの南西約280kmに位置。

着任:1881:首席指揮者に就任。1シーズンの契約。

離任:4月2日、シーズン終了により契約も終了。

演目:ヴェルディ:トロヴァトーレ、グノー:ファウスト、モーツァルト:魔笛など。オペラの指揮のほか、ライバッハ・フィルハーモニー協会の演奏会にピアニストとして出演。

兄弟(死去):コンラート[1878-1881](2歳8か月)。

オルミュッツ市立ドイツ劇場


期間:1883〜1883(約2か月)

場所:オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア辺境伯領オルミュッツ(現・オロモウツ)はウィーンの北北東約170kmに位置。

着任:1883年1月。

離任:1883年3月17日。

演目:マイヤーベーア:ユグノー教徒。ピアノ・リサイタルなど。


カッセル王立劇場


期間:1883〜1885(約2年間)

場所:ドイツ帝国プロイセン王国カッセルはウィーンの北西約600kmに位置。

着任:1883:試用期間を経て3年契約で音楽監督兼合唱監督に就任。

離任:1885:マーラーが契約解除を要請。

自作:ソプラノ歌手ヨハンナ・リヒターと交際。

備考:1884:ハンス・フォン・ビューロー指揮マイニンゲン宮廷管弦楽団のカッセル公演を聴いて感激し、ビューローに協力したいと手紙を送付。


プラハ王立ドイツ劇場


期間:1885〜1886(約1年間)

場所:オーストリア=ハンガリー帝国領ボヘミア王国プラハのドイツ語劇場。

着任:1885:第1楽長に就任。

離任:1886年。

演目:1886:マイヤーベーア、ワーグナー、ベートーヴェン、モーツァルトなど。

交流:ソプラノ歌手ベッティー・フランクと交際。


ライプツィヒ市立劇場

1887:ニキシュが病に倒れ、翌年までにロッシーニ、ワーグナーなど54作品214公演を指揮。
期間:1886〜1888(約2年間)

場所:ドイツ帝国ザクセン王国ライプツィヒはウィーンの北西約450kmに位置。

着任:1886:第2楽長に就任。第1楽長はアルトゥール・ニキシュ。

離任:1888:上層部と対立して辞任。

演目:ワーグナー、マイヤーベーア、アレヴィ、モーツァルト、ウェーバー、グルックなど。

交流:1887R.シュトラウスと交流。ウェーバーの孫の妻マリオン・ウェーバーと交際。

自作:1888:交響曲第1番完成。「葬礼」に着手。ウェーバーの未完のオペラ「3人のピント」をウェーバーの孫の依頼で完成。「3人のピント」をプラハ新ドイツ劇場に客演して初演。


ハンガリー王立歌劇場

1888年、総監督のベニツキー男爵(政治家)により任命。当初ベニツキー男爵はフェリックス・モットル[1856-1911]を指名したものの、モットルがハンガリー語を学ぶことを拒否したためマーラーに決定。その後、1891年1月にマーラーがハンブルク市立劇場と第1楽長として契約した際、1週間後に着任した新総監督ジチ伯爵(音楽家)と衝突して辞任。

期間:1888〜1891(約3年間)

場所:ブダペストはウィーンの南東約200kmに位置。ユダヤ人の割合が2割を超える親ユダヤ都市で、オーストリア=ハンガリー帝国第2の都市。

着任:1888年10月、芸術監督に就任。年俸1万クローネ(約1,250万円相当)で10年契約。

離任:1891年3月、辞任。ハンガリー王立歌劇場側の契約不履行として、マーラーは違約金25,000フローリン(約6千万円相当)を受領。

演目:在任中、ワーグナー作品多数のほか、マルシュナー、モーツァルト、マスカーニ、ドニゼッティ、フランケッティ、ロッシーニ、ロルツィング、エルケル、クロイツァー、オベール、オッフェンバック、ビゼーなど幅広いレパートリーを上演。1890年12月のドン・ジョヴァンニを鑑賞したブラームスが感激し終演後にマーラーと交流。

交流:1890年10月には、以後、12年に渡って交流することになるナタリー・バウアー・レヒナーがマーラーのもとを訪れています。

自作:交響曲第1番、。

家族(死去):父ベルンハルト[1827-1889](1889年2月/61歳)、レオポルディーネ[1863-1889](1889年9月/26歳)、母マリー[1837-1889](1889年10月/52歳)。

ハンブルク市立劇場

現・ハンブルク州立歌劇場。1890年9月に、総監督のベルンハルト・ポリーニ[1838-1897]からハンス・フォン・ビューローの後任として第1楽長職の交渉が開始され、マーラーは14,000マルク以上の報酬を要求し、1891年1月15日に契約締結。3年契約でしたが業績好調を受け、1894年2月5日に契約延長に署名。なお、この契約をめぐってか、在職中だったハンガリー王立歌劇場の新総監督とトラブルになり、マーラーが辞職し、違約金として25,000フローリン(約6千万円相当)を受けとっていました。
期間:1891〜1897(約6年間)

場所:ハンブルク。

着任:1891年3月、第1楽長に就任。

離任:1897年4月。

演目:着任間もない3月31日のジークフリートにビューローが拍手喝采し、以後1891年から1892年のシーズン中にワーグナーを64回上演。レパートリーは多岐に渡り、フィデリオ、魔笛、ビゼー:ジャミレ、ボワエルデュー:白衣の貴婦人、カルメン、フィガロの結婚、ウィンザーの陽気な女房たち、プッチーニ:妖精ヴィッリ、イオランタ、マスカーニ:友人フリッツ、ノルマ、アスラエル、ドン・ジョヴァンニ、セビリアの理髪師、魔弾の射手、ファウスト、ファルスタッフ、売られた花嫁、こうもり、ミニョン、エフゲニー・オネーギン、ルービンシテイン:悪魔、ヘンゼルとグレーテル、オベロン、フランケッティ:クリストフォロ・コロンボ、スメタナ:接吻、マルシュナー:ハンス・ハイリングなど多数。
交流:アンナ・バール=フォン・ミルデンブルク[1872-1947]と1895年から1897年頃まで交際。

自作:交響曲第2番、交響曲第3番

兄弟(死去):オットー[1873-1895](21歳7か月)

ウィーン宮廷歌劇場管弦楽団

ヴィルヘルム・ヤーンの視力が失われつつあったため、前年から根回ししていたマーラーが後任として1897年4月にウィーン宮廷歌劇場の第1楽長として契約に署名し、10月には芸術監督に就任。報酬は諸経費込みで年間16,000グルデン(約4,000万円相当)。ウィーンでは公的な仕事にはユダヤ教徒は就けないため、マーラーは2か月前にハンブルクの聖ミヒャエル教会でカトリックに改宗済み。しかし、当時のウィーンでは、1895年から熱烈な反ユダヤ主義者のカール・ルエーガーが大人気で市長選でも首位に立っており、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世がその都度任命を拒否していたものの、民意には抗えず1897年4月8日に市長に就任していたのが不安要因ではありました。
期間:1897〜1907(約10年間)

場所:ウィーン。

着任:1897年5月。

離任:1907年12月31日付けで解任。

演目:多数。600回以上指揮。

交流:アルマ・マーラー(1901年12月に婚約、1902年3月結婚)。

自作:交響曲第4番、交響曲第5番、交響曲第6番、交響曲第7番、交響曲第8番、子どもの不思議な角笛、リュッケルト歌曲集、亡き子をしのぶ歌。


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン宮廷歌劇場管弦楽団員によるオーケストラ・コンサート。1899年9月、ハンス・リヒターの後任を選ぶ2度目の楽員投票で96票のうち90票を得て首席指揮者に任命。1900年にパリ万博でも5公演おこなうなど快調でしたが、1901年4月、楽員任命の際のトラブルにより辞任。しかしその後も少ないながら指揮はしており、1904年から1906年にかけては交響曲第5番と第6番の試演も実施(6番は無報酬)。
期間:1898〜1907(約9年間、うち首席指揮者は1年半)

場所:ウィーン。

最初:1898年11月。

最後:1907年11月。

公演:46回(1898年:5回、1899年:14回、1900年:15回、1901年:4回、1902年:2回、1903年:0回、1904年:2回、1905年:3回、1906年:1回、1907年:1回)。

演目:多数。


メトロポリタン歌劇場


期間:1908〜1910(約2年間)

場所:ニューヨーク。

着任:1908年3月、首席指揮者。

離任:1910年3月。

演目:トスカ、トリスタンとイゾルデ、ジークフリート、ワルキューレ、フィデリオ、ドン・ジョヴァンニ、フィガロの結婚、スペードの女王、売られた花嫁、ガラ・コンサートなど54公演指揮。

自作:大地の歌。


ニューヨーク・フィル

1908年の11月から12月にかけてウォルター・ダムロッシュからの要請で客演。当時の楽団名称は「ニューヨーク・シンフォニー・ソサエティ」で、3ヶ月後に客演した際には「ニューヨーク・フィルハーモニック・ソサエティ」と改名されていました。
期間:1909〜1911(約2年間)

場所:ニューヨーク。

着任:1909年11月。

離任:1911年7月。

演目:多数。

自作:交響曲第9番、交響曲第10番。

備考:1909年10月、パリのロダンのアトリエでブロンズ胸像を制作。




 商品説明詳細ページ一覧

【複数作曲家】
女性作曲家たち
オランダのピアノ協奏曲集
イタリアのヴァイオリン・ソナタ集
イタリアのチェロ・ソナタ集

【バロック作曲家(生年順)】
バード [c.1540-1623]
モンテヴェルディ [1567-1643]
カッツァーティ [1616-1678]
ルイ・クープラン [1626-1661]
クープラン一族
グリューネヴァルト [1673-1739]
ダンドリュー [1682-1738]
スタンリー [1713-1786]
ヨハン・エルンスト・バッハ [1722-1777]

【古典派&ロマン派作曲家(生年順)】
ハイドン [1732-1809]
ミスリヴェチェク [1737-1781] (モーツァルトへの影響大)
ボッケリーニ [1743-1805]
モンジュルー [1764-1836] (ピアノ系)
ベートーヴェン [1770-1827]
クラーマー [1771-1858]
ジャダン [1776-1800] (ピアノ系)
リース [1784-1838]
ブルックナー [1824-1896]
マルトゥッチ [1856-1909]
マーラー [1860-1911]
トゥルヌミール [1870-1939]
ルクー [1870-1894]
レーガー [1873-1916]
ラフマニノフ [1873-1943]

【近現代作曲家(生年順)】
レーバイ [1880-1953] (ギター系)
マルティヌー [1890-1959]
ミゴ [1891-1976] (ギター系も)
サントルソラ [1904-1994] (ギター系も)
ショスタコーヴィチ [1906-1975]
ラングレー [1907-1991] (オルガン系)
アンダーソン [1908-1975]
デュアルテ [1919-2004] (ギター系)
プレスティ [1924-1967] (ギター系)
ヘンツェ [1926-2012]
坂本龍一 [1952-2023]
【指揮者(ドイツ・オーストリア)】
アーベントロート
エッシェンバッハ
カラヤン
クナッパーツブッシュ (ウィーン・フィルベルリン・フィルミュンヘン・フィル国立歌劇場管レジェンダリー)
クラウス
クリップス
クレンペラー (VOX&ライヴザルツブルク・ライヴVENIASボックス
サヴァリッシュ
シューリヒト
スイトナー (ドヴォルザークレジェンダリー)
フリート
フルトヴェングラー
ヘルビヒ (ショスタコーヴィチマーラーブラームス)
ベーム
メルツェンドルファー
ヤノフスキー
ライトナー
ラインスドルフ
レーグナー (ブルックナーマーラーヨーロッパドイツ)
ロスバウト
【指揮者(ロシア・ソ連)】
アーロノヴィチ
ガウク
クーセヴィツキー
ゴロワノフ
ペトレンコ
マルケヴィチ
【指揮者(アメリカ)】
クーチャー(クチャル)
スラトキン(父)
ドラゴン
バーンスタイン
フェネル
【指揮者(オランダ)】
オッテルロー
クイケン
フォンク
ベイヌム
メンゲルベルク
【指揮者(フランス)】
パレー
モントゥー
【指揮者(ハンガリー)】
セル
ドラティ
【指揮者(スペイン)】
アルヘンタ
【指揮者(スイス)】
アンセルメ
【指揮者(ポーランド)】
クレツキ
【指揮者(チェコ)】
ターリヒ
【指揮者(ルーマニア)】
チェリビダッケ
【指揮者(イタリア)】
トスカニーニ
【指揮者(イギリス)】
バルビローリ
【指揮者(ギリシャ)】
ミトロプーロス
【指揮者(日本)】
小澤征爾
【鍵盤楽器奏者(楽器別・生国別)】

【ピアノ(ロシア・ソ連)】
ヴェデルニコフ
グリンベルク
ソフロニツキー
タマルキナ
ニコラーエワ
ネイガウス父子
フェインベルク
フリエール
モイセイヴィチ
ユージナ
【ピアノ(フランス)】
ウーセ
カサドシュ
ティッサン=ヴァランタン
ハスキル
ロン
【ピアノ(ドイツ・オーストリア)】
キルシュネライト
シュナーベル
デムス
ナイ
レーゼル (ブラームスベートーヴェン)
【ピアノ(ハンガリー)】
ファルナディ
【ピアノ(南米)】
タリアフェロ
ノヴァエス
【チェンバロ】
ヴァレンティ
カークパトリック
ランドフスカ
【弦楽器奏者(楽器別・五十音順)】

【ヴァイオリン】
オイストラフ
コーガン
スポールディング
バルヒェット
フランチェスカッティ
ヘムシング
リッチ
レビン
【チェロ】
カサド
シュタルケル
デュ・プレ
トルトゥリエ
ヤニグロ
ロストロポーヴィチ
【管楽器奏者】

【クラリネット】
マンツ

【ファゴット】
デルヴォー(ダルティガロング)
【オーボエ】
モワネ
【歌手】
ド・ビーク (メゾソプラノ)
【室内アンサンブル(編成別・五十音順)】

【三重奏団】
パスキエ・トリオ
【ピアノ四重奏団】
フォーレ四重奏団
【弦楽四重奏団】
グリラー弦楽四重奏団
シェッファー四重奏団
シュナイダー四重奏団
ズスケ四重奏団
パスカル弦楽四重奏団
ハリウッド弦楽四重奏団
バルヒェット四重奏団
ブダペスト弦楽四重奏団
フランスの伝説の弦楽四重奏団
レナー弦楽四重奏団

Track List   

Disc   1

  • 01. 交響曲第1番
  • 02. 交響曲第2番『復活』
  • 03. 交響曲第3番
  • 04. 交響曲第4番
  • 05. 交響曲第5番
  • 06. 交響曲第6番
  • 07. 交響曲第7番
  • 08. 交響曲第8番
  • 09. 交響曲第9番
  • 10. 交響曲第10番より<アダージョ> (以上収録予定/曲順未定)

Disc   2

  • 01. DISC1掲載曲参照

SEE ALL TRACKS >

Customer Reviews

Read all customer reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

4.5

★
★
★
★
★
 
5
★
★
★
★
☆
 
5
★
★
★
☆
☆
 
1
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
2011年以降の最近の演奏からのセレクション...

投稿日:2024/02/25 (日)

2011年以降の最近の演奏からのセレクションなので、この組み合わせにほぼ納得ですが、10番と同じ日(2011年5月18日のマーラー没後100年記念演奏会)に演奏されたアバドの大地の歌が収録されていないのは不思議ですね。僕はNHKBSでの放送をブルーレイ録画してますが、アンネゾフィーフォンオッターによる終曲が素晴らしいと思います。

トム さん | 東京都 | 不明

1
★
★
★
★
★
まさに、ベルリン・フィルが主役のマーラー...

投稿日:2021/07/16 (金)

まさに、ベルリン・フィルが主役のマーラー全集。買って満足のセット。一見、高価ではあるものの、ベルリン・フィルの演奏会のチケットと比べれば安いもの。しかも対象がマーラーだけに、その基本性能の高さに惚れ惚れしました。 個人的な趣味としては、ラトルがベルリン・フィルと築き上げたブラームスやシベリウスのように、常任指揮者との練り込まれた一貫性のある全集の方が好ましいと思いますが、これから更に輝く指揮者達との貴重なポートレートとしても楽しむことが出来ました。

R35sT さん | 熊本県 | 不明

4
★
★
★
★
★
やっと全曲聴き終えました。DCHでもお馴染...

投稿日:2021/07/11 (日)

やっと全曲聴き終えました。DCHでもお馴染みの演奏ばかり。既に村井氏はじめ諸氏が述べられている通り、他の選択肢も十分考えられるわけですが、世界に冠たるBPOが今、世に問うマーラーという点で高く評価できます。いちばんの注目は何と言ってもペトレンコの6番。常任指揮者投票直前のコンサートキャンセルを思い出しました。代役ハーディングも切れ味鋭い名演でしたが、ここでのペトレンコの解釈は、既存の誰とも異なるまさに21世紀のマーラー像。今後、ロト、クルレンツィス、マケラが同様の流れを作っていくのでは。誤解を恐れず言えば、バルビローリとカルロス・クライバーの音楽性が化学反応を起こした感があります。ネルソンスの復活は遅めのテンポを基本とするも全曲に渡り緊張感溢れる演奏で、第一楽章の低弦の出だしから、フィナーレのコーダまで一気に聴き入ってしまう名演。バーミンガム来日の折にも振っていた定評のあるラトルの7番はここでも快演。BPOのトップ奏者達の名技も光ります。安全運転的な印象を受けるドゥダメルやネゼ=セガンも、実は贅沢な注文。ハイティンクの9番は何種類目になるのだろうか。遅いテンポにも関わらず惹きつけられてしまいます。大地の歌がないのは何故?珍しく譜面を見ていたアバドの大地の歌をアルバムに残して欲しかったのと、10番はハーディングで全曲聴きたかったですね。また10年もすれば、BPOマーラー全集part2が出ることを期待しつつ、今日はこの辺で。

白文鳥 さん | 愛知県 | 不明

4

Symphonies Items Information

Recommend Items

この商品が登録されてる公開中の欲しい物リスト